Director’s Voice 01

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Director’s Voice 01



地域医療で活躍できる薬剤師の育成を目指して
福田 豊 (株式会社ファーマシィ)
薬局企画部 薬局研修課
2012年7月時点でバイタルサイン講習会を11回開催、
総勢138名にものぼる方々に講習会を実施。
薬剤師の視点で実施される福田氏の講習会は、
受講者たちにも非常に評判が良い。

バイタルサイン講習会を受けられたきっかけは?

最初は社内行事。受講して衝撃を受けました。
最初は社内行事の一つとして受けたんです。別の講演で狭間先生の話を聞き、感銘をうけた弊社社長の武田が、社内勉強会に狭間先生を招いたのがきっかけでした。ただの講習会だろうと思っていたのですが、バイタルサイン講習会の講義内容を聞いて、衝撃をうけました。すぐに、これは実践していくべき事だと思いましたし、何より人体に触れても良いという事実が、目から鱗でした。当時は、『人体に触れる事は医行為にあたるから、触れてはいけない』と思っていましたから。以前は、町の薬局で薬剤師をしておりましたが、テーピングしてほしいとか、怪我したから消毒して欲しいとか、ガーゼや絆創膏で処置して欲しいとか、そういう患者さまの要望もお断りせざるを得ないと判断しておりましたので、本当に衝撃でした。

バイタルサイン講習会を受けて、変化した事は?

意識がかわったと実感
私は現在、教育を担当しておりますので、自身が現場に出る事は少ないのですが、受講された方からは、様々な声をいただきます。一番印象的だった話が、薬局の窓口、要は在宅の現場ではないところで、ある薬剤師が服薬指導中に、患者さんが「最近腕がしびれるの」と言ったんですね。そこで、従来ならば「そうなのですね。どの辺ですか?」と声かけ確認して終わるところ、気がついたら、彼は患者さんに触っていたというのです。「どこらへんですか?ここはどうですか?指先までしびれますか?」といって患者さんの体に触っていた。この話を聞いて、あぁ、意識が変わったのだなと実感しました。
現場で実践
患者さんのことが気になって仕方がない
弊社では、在宅の現場に、薬剤師が聴診器を持っていき、血圧や脈拍を測定する、という事を実践しております。
実際、処方を先に薬剤師が書いて医師に提案するという、CDTMに近い取り組みも始めております。自分で処方を提案し、それを医師が採用してくれたとき、すごくうれしい反面、患者さんの事が気になって仕方がないんですね。 そうすると、薬の専門家として、患者さんをフォローしていくという、本来あるべきだった強い責任感が出てくるんです。 その上で、意思決定のよりどころとしてバイタルサインを読み取れる必要性があるという意識は現場ではさらに高まっていますね。

ディレクターになろうと思われた理由は?

薬剤師に薬のプロとして提案能力を身につけてもらいたい
初めてバイタルサイン講習会を受けたときに、バイタルサインチェックのスキルも学んだのですが、それ以上に宿題をたくさん頂いたなと感じました。 要は、バイタルサインをとったあとどうするの?という薬剤師としての判断が求められている。医師、看護師のなかに入って、薬剤師としての能力が問われている、というところに危機感を覚えました。今のままの業務の仕方では、この能力は養われない。この危機感を、社員に持たせないと、優秀な薬剤師として生き残っていけないと感じ、弊社社長と、会社をあげて、社内の薬剤師に薬のプロとしての提案能力を身につけてもらえる環境を整えようと決意しました。社内の薬剤師全員に講習会を受けてもらおうと思ったら、それには社内にディレクターがいる方が受けやすいだろう、という答えにたどり着いたのです。 笑い話なのですが、狭間先生によるバイタルサイン講習会が終わって、狭間先生が帰られた後に、社内で懇親会があったんですね。懇親会の席で、弊社社長の武田が、「バイタルサイン、会社全体でやろう!受講できる環境を作ります!」と即宣言され、教育担当者として、「やります!」と。やろう!いい事しかないじゃないかと。その日の内に決まったんですよ。

実際ディレクターになってみてどうですか?

毎回新しい発見がありますね。
2012年6月現在までに、11回開催し、138名の方に受講いただきました。開催するたびに、必ず毎回新たな発見があるんです。教えるためにもたくさん勉強しますし、受講生の方々が真剣に受けてくれるので、こういうときに役立つよねっていう新しい視点をくれるんです。毎回、事前に構想を考え準備をして、その都度工夫を加え、試行錯誤しながら開催しているので、終わったときにはフラフラです。それでも、毎回新しい発見があって楽しいですし、さっそくやりますという心強い方たちに励まされます。

理想の薬剤師の姿は・・・

地域医療=チーム医療 そこで活躍できる薬剤師。
少子超高齢社会の中で、高齢者の在宅での医療がクローズアップされています。その需要の中で、日本在宅薬学会が立ち上がり、社会全体としても医療の担い手不足に対して、薬剤師を活用しようという動きが出てきています。ただ、これはあくまで、薬剤師が本来の仕事をするためのきっかけだと思っています。
在宅の現場は、カルテが共有され、医師・看護師・薬剤師がそこにいるという、病院の中では当たり前の事が、病院の外でおきている奇跡的な環境だと思っています。今は、薬剤師がわざわざ費用をとってまで、その現場に参加することの意味が求められていますが、これはあくまでとっかかりにすぎないのです。この先、薬局の窓口でも同じ事がおこらないといけません。このシナリオはこれから進んでいくはずで、今厚生労働省もカルテ共有、処方せん電子化に取り組んでいます。これが実現したとき、在宅と同じ奇跡的な環境が薬局におきます。このときに、在宅の現場をやっていなかったから、患者さんのケアはできませんというのでは、いけないと思うのです。薬局薬剤師も、在宅の現場に出ている薬剤師と同等に、薬の専門家としての役割を果たす必要が出てきます。今からその準備をしていかないといけませんよね。今、チーム医療=在宅というイメージですが、本当は地域医療=チーム医療じゃないといけない。その地域医療の現場で活躍できる薬剤師になってなきゃいけないというのが理想の薬剤師です。
最後に
簡単な作業だけれど、たった5時間でバイタルサインが完璧に採れるようになるわけではありません。しかし、何よりも採ったあとの判断を勉強していかないといけないという事に気づけます。 30年ほど前は聴診器を持っていないのが当たり前だった看護師が、聴診器をもつ事が当たり前になったのと同様に、薬剤師が聴診器を持つことが当たり前になる時代を迎えるお手伝いが出来れば最高だなと思っています。
*インタビューは2013年2月以前のものです。現在はプレゼンテーションスキルを習得するため、規定のセミナーを受けていただいた後でバイタルサイン講習会を開催していただいております。