過去の学術大会 第六回 2日目

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過去の学術大会 第六回 2日目



開催レポート(2013年7月15日(月・祝)10:00~17:00)

総合司会

帝京平成大学
薬学部教授
井手口 直子先生

大会会長

一般社団法人
日本在宅薬学会
理事長
狭間 研至

10:00~11:00

日本在宅薬学会会員・口頭発表Ⅱ
この1年間の取り組み

座長:中山 邦先生 シーエスグループ 代表取締役

ディレクターとしてのスキルアップと今後の展開と課題
小嶋 文良先生 城西国際大学薬学部 薬物治療情報学研究室
バイタルサイン講習会ディレクターとして、そのスキルアップや今後の展開についてお話しいただきました。


バイタルサイン講習会受講から開催まで
輿石 徹先生 東京医科大学八王子医療センター 薬剤部
病院薬剤師としてバイタルサイン講習会受講から、ディレクター開催までおこなった経験を詳しくお話し下さいました。


上尾中央医科グループ(AMG)における
共同薬物治療管理(CDTM)業務の取り組み

岸 雄一先生 上尾中央医科グループ協議会 薬剤部
共同薬物治療管理業務の取り組みや薬剤師業務の遷移についてお話しいただきました。


この1年間の取り組み
小笠原 加代先生 岡山市 ケイ・アイ堂薬局
在宅患者がいない中でも進められる在宅医療、バイタルサインチェックについてご紹介いただきました。





座長:千島 己幸先生 クオール株式会社 医療連携推進部

H24年度活動報告
~バイタルサイン講習会開催活動について~

比嘉 朋子先生 株式会社薬正堂 すこやか薬局グループ 薬学教育 研修担当
在宅医療支援に関与する際に必要な処方提案まで行うために、バイタルサインをとる意義を理解し手技を伝える活動をご報告いただきました。


地域に根差した薬局を目指して
~この1年間の取り組み~

笹井 みつえ先生 株式会社アインファーマシーズ関東営業一部次長
アイングループとして進めておられる在宅医療支援についてご報告いただきました。


フィジカルアセスメントとその先にあるもの
~症例数ゼロからイチへの挑戦~

佐藤 一生先生 小樽市 住ノ江薬局
ひとり薬剤師の薬局において在宅訪問を進める際の悩み、苦しみ、そしてゼロからイチになったときの喜びについてお話しいただきました。


日めくり式服薬カレンダー導入によるコンプライアンス改善と問題点
原崎 大作先生 鹿児島市 アクア薬局
ひとり薬剤師で在宅医療を進める中で出会った患者さまとの経験をもとに制作した「日めくり式服薬カレンダー」導入による影響をご紹介いただきました。





座長:中嶋 幹郎先生
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 薬学部
展開医療薬学講座 病院薬学分野 教授

模擬患者として医療面接のシミュレーションに参加して気づいたこと
猪子 幸生先生 株式会社メディカル一光
模擬患者医療面接のシミュレーションに参加した際の気づきと今後の展開についてお話しいただきました。


在宅療養推進アクションプランの取り組み
~多職種連携からCDTMを目指して~

守島 繁昭先生 カナリヤ薬局/大阪府天王寺区薬剤師会 会長
多職種連携のための活動や、施設訪問でのバイタル採取によるフィジカルアセスメントへの取り組みによるCDTMへの意識を発表していただきました。


薬剤師におけるフィジカルアセスメント研修会実施の意義
菱川 浩子先生 名古屋市 株式会社スギヤマ薬品 在宅推進部
日本在宅薬学会ディレクターとしてのフィジカルアセスメントに関する社内での取り組みをご紹介いただきました。


カウンターからベッドサイドへ
~この1年間の取り組み~

寺本 仁先生 東京都 株式会社スペース あおい薬局
バイタルサインの測定を行う同社のこれまでの歩みと今後の活動における展望を発表していただきました。





座長:生城山 勝巳先生
千葉科学大学薬学部 教授

1年間の取り組み
~在宅業務・薬局機能の啓発活動と対応状況の変化を中心に~

船戸 一晴先生 ゆう薬局グループ 丹後・舞鶴エリア ブロック長
京丹後市での在宅業務への取り組みと対応状況の変化などをご自身の経験も含め発表していただきました。


在宅個別化医療に向けての取り組み
安永 譲先生 熊本県 坂本調剤薬局
在宅医療の現場において必要とされる個別化医療について時間治療とドラッグリプロファイリングの視点からご報告いただきました。


薬局薬剤師から他職種への情報発信
川口 はるひ先生 株式会社スギ薬局 医療営業推進部
薬剤師から看護師・ケアマネージャーなど他の職種へ情報配信を行い、その結果在宅医療の現場で薬剤師に求められることを発表していただきました。


特別養護老人ホームにおける薬局薬剤師の取り組み
近藤 靖子先生 株式会社ビアンコーファーマシーフジヤマ 代表取締役
特別養護老人ホームにおいても薬剤師にできることは多くある。今回は医薬品の適正使用に向けた取り組みをご紹介いただきました。


11:30~12:30

ランチョンセミナーⅡ

薬剤師のソコヂカラ
─薬剤師である私たちが、今、すべきことは?─

座長:髙﨑 潔子先生
株式会社タカサ 在宅療養連携支援室 室長
講師:倉田 なおみ先生
昭和大学薬学部 薬物療法学講座 薬剤学部門 准教授

患者が服薬の何に困っているのかを知るには実際に服薬時に立ち会うのが一番であるが、タイミング良く見られることは少ないため、患者から聞き取ることになる。
薬を届け説明する服薬指導だけでは聴取できず、ベッドサイドで患者と向き合い、open questionで聞くことが重要である。
患者に薬の説明をしようとしたとき、「いつもと同じなら大丈夫です」と言われてしまったら。
これは、会話をいつも薬の説明から始めるからであり、誰にも必要な、食事、運動、排泄、家族なら認知の問題などから会話をはじめ、話の中から薬の副作用や効果を確認できるようにする、そんな余裕が、特に在宅医療では必要になり、薬剤師が服薬支援のために今すべきことについて講演いただきました。




病院薬剤師・救急医療への挑戦
~救急はバイタルの基礎~

座長:櫻間 啓基先生 公立玉名中央病院 薬局
講師:出口 弘直先生
医療法人社団 仁心会 越谷ハートフルクリニック
事務次長兼薬剤科長

この患者さんに対する治療について薬剤師として、個人の意見を聞かせてほしい。
救急領域は輸液をはじめとする薬剤や外科的処置さらに様々な医療機器を用いて患者さんを救命=バイタルを安定させることを目的に治療されます。救急での医療行為を私が理解するために役だったのは、それまで個人的な興味で学んできた輸液の知識でした。輸液は単なる水分管理という捉え方をしている薬剤師が多いと感じますが、輸液製剤の投与目的とそれに伴う心臓・肺・腎臓、各臓器の働きとその連携や検査データとの関連を理解することは薬剤師がバイタルを理解する第一歩と考えています。輸液を学んできた事から救急領域でチームの一員として関われたことを経験してきた事例の一部を教示してくださいました。

13:00~15:30

シンポジウムⅢ
在宅医療における臨床判断
座長:緒方 宏泰 (明治薬科大学 名誉教授/日本アプライド・セラピューティクス学会 会長)

フィジカルフィギアを用いた薬物投与後のバイタルサイン把握のための実習
松山 賢治先生
近畿大学薬学部 教授

高齢化社会の進展に伴い在宅医療、地域医療は多職種連携によるチーム医療の重要性が増しています。
チーム医療に必要な同じ目標、各職種の能力、技能、目指すもの知る役割分担、連携・情報の共有、コミュニケーションが必要とされます。チーム医療に参加する為には薬物動態、適応など薬物に関することだけではなく、在宅医療の特性、褥瘡や緩和医療に関する知識など幅広い知識などが求められていると感じているとチーム医療の必要性を再認識できる講演でした。

在宅医療における臨床判断
丸山 徹先生
熊本大学薬学部 医療薬剤学分野 教授 /日本在宅薬学会 顧問

近年、本邦では、在院日数の短縮化、療養の場の在宅への移行、医療環境の変化に伴い、在宅での療養者が増加かつ重度化している。
また、それに伴い、在宅医療に携わる薬剤師には、これまで薬局内で行ってきた薬学管理とは異なった、より高度で複雑な判断、いわゆる臨床判断(Clinical Judgement)を伴う薬学管理が要求されるようになってきた。
臨床判断力はすべての医療専門職にとって必要不可欠なものであるため、在宅医療に携わる薬剤師としては、医療人として共通した判断と、薬剤師職能に立脚した独自な判断の2つに分けて考える必要があり、在宅医療における薬剤師の臨床判断について、事例を交えながら講演していただきました。

臨床判断能力を有する薬剤師育成を目指して
ー薬学シミュレーション教育の実践ー

徳永 仁先生
九州保健福祉大学薬学部 臨床薬学第二講座 准教授

薬学生へのベッドサイド実習および薬剤師への研修会においてシミュレータを使用したフィジカルアセスメントに関するトレーニングを実践しており、在宅、薬局または病棟において薬剤師が遭遇すると想定されるシナリオを作成し、シミュレータへプログラムを行うことで、臨場感ある症例体験が可能となる。
医学部では当たり前であったシミュレーション教育を薬学部においても活用することで、臨床判断能力を有する薬剤師育成に寄与できると考えておりその活用法について講演していただきました。

薬剤師の臨床判断における薬物動態学的視点の活用
宮崎 長一郎先生
一般社団法人 長崎県薬剤師会 会長 /宮﨑薬局バス通り店

薬剤師が臨床判断を下す場面は、さまざまな在宅医療だけでなく通常の調剤業務中でも存在している。
しかし、その判断の際に薬剤師であるにもかかわらず薬物動態学的視点を持たず、印象批評的に判断を下すとなるとセカンドドクター的になってしまう懸念がある。
TDM対象薬における母集団薬物動態パラメータを用いた処方監査や臨床判断できる採血時点の提案、老化に伴う薬効発現の変化等いくつか考慮しなければならない材料があり、分かりやすく具体例を示して講演していただきました。

薬剤師の臨床判断とプライマリケア
─薬学卒前・卒後教育の試み─

木内 祐二先生
昭和大学薬学部 薬学教育推進室 教授

今後の医療では、薬局が地域の主要な医療機関として積極的に機能し、薬剤師がプライマリケアの担い手として、在宅患者や来局者の状態を薬剤師自身が適切に判断し、最善の対応を選択(トリアージ)、実施することが期待されている。
さまざまな症状を訴える患者から、薬剤師自らが面談や観察、バイタルサイン測定などで情報を収集し、病名や病態を推測して、適切な臨床判断を責任を持って行う必要があり、薬学教育における臨床判断の学習について、昭和大学や卒後教育での試みを講演していただき、薬剤師が地域のプライマリーケア・セルフメディケーション支援と在宅チーム医療により積極的に関われば日本人の命の質が変わると語られておられました。

15:45~16:45

特別講演
医療コミュニケーションにかかわるPRO(Patient Reported Outcome)とQOL

座長:村岡 修 (近畿大学薬学部 部長)
講師:井手口 直子 (帝京平成大学薬学部 教授/博士(薬学))


医療従事者のケアの目標は、患者のQOL(Quality of Life)の向上であり、近年医療評価として医師の評価に加え、患者の評価としてのPRO(Patient Reported Outcome)両方が必要と言われている。
PROとしてのQOL測定こそ「真の医療アウトカム」とも言われるが、「医師による評価」と「患者の報告」との間には正の相関があるという報告がある。しかしその値はしばしば異なることがある。また、QOLの測定として現在汎用されている、客観的な視点で一元化する方法を、緩和ケアや難病ケア領域など治癒を目標とできない領域に適用すると、時として「死」よりも低い評価値がでて、ケアの視点を失うだけでなく、医療の配分の視点で切り捨てられる危険をはらんでいる。
患者の主観的QOL評価法としての「SEIQoL」は、代表的な患者の報告するアウトカム(PRO:Patient reported outcome)とされる。
厚労科研の研究班で下肢型の医療用ロボットの治験と、患者会が中心となった患者リジストリの研究を進める上でPROを適正に一元化できるSEIQoLの普及に努められておられ、参加者のケアへの関心が高まった講演となりました。

16:45~

閉会
閉会宣言:村井 俊之 (株式会社エムワン 代表取締役社長)

株式会社エムワン 村井俊之先生に閉会宣言をおこなっていただきました。

第6回シンポジウム開催の様子

真夏の大阪で2日間にわたり開催された第6回日本在宅薬学会学術大会は、ご参加いただいた皆さまのご協力のもと閉会を迎えました。
刺激のある学術大会を終え、来年は私も講演したい!といったご感想も多くいただいております。

ご講演いただきました先生方、ご参加いただきました先生方、サポートいただきました企業様、事務局一同心より御礼申し上げます。