在宅療養支援認定薬剤師
CERTIFIED PHARMACIST
2023年6月8日(木)開催 『明日から役立つ利水剤の現代医学的な使い方について』
~特に難治性の浮腫に対する統合医学的アプローチ~ 講師:山方 勇次 開催地:オンライン
体は重量の70%が概ね水分であり、水分のコントロールは水滞関連疾患を治療する上で重要であることは言うまでもない。水腫の成因には、膠質浸透圧、血管壁の透過性、毛細血管静水圧、リンパ灌流異常などが関係している。これらの要因の崩れが、局所組織間隙や体腔に水分の異常貯留を起こし、これを水腫と呼ぶ。更に炎症によっても水腫が起こる。この炎症性の水腫による液は、浸出液といわれ、これに対し非炎症性の水腫を漏出液と呼んでいるがそれぞれ利水法が異なってくる。
漢方の利水剤による治療の対象は、心不全による肺水腫・肝硬変による腹水などの漏出液から、炎症による胸水・関節水腫などの浸出液、下痢・黄疸・膀胱炎・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎・緑内障・網膜剥離など様々な水の異常の病態に応用される。これらのことから漢方の利水剤の中には、利水作用のみならず抗炎症作用、抗アレルギー作用、発表(解表)作用など多くの作用を併せ持っているものがあり漢方の利点でもある。
また、利水法には大きく分けると、淡滲利水剤のように、水を血中に取り込んで尿として排出する利水法、瀉下により便と共に体外に排出する逐水法、発汗させて出す発汗法の三消法がある。これらのことを念頭に置きながら利水剤の使い方を理解する必要がある。実際の臨床で疾患を治療する場合には、例えば心不全の治療には、単に利水剤のみならず、強心剤・血管拡張剤などの薬物を併用する。つまり水や湿だけの病態は存在せず、水・湿を来した病態の理解も大変重要であり、臓器の特殊性も考慮に入れて治療しないと満足な結果を得ることができない。
受講者の声
熱い講義を受講された皆様から非常に多くの喜びの声や感動の声を頂いております。
参加された皆様のナマの声を掲載しておりますのでこれから受講を検討されている皆様、ご参考にしていただければ幸いです。